Rolling Stones "We had it All"
しかし破滅的な生き方が彼の心臓をとめ、 その年の10月伝説の人となった。 「彼の退場は完璧だった」ともの悲しい真実感をこめて エルヴィス・コステロが語っている。 パーソンズの残した影響は幅広く、深く、長く続きそうだ (『ローリング・ストーン・レコードガイド』の「グラム・パーソンズ」章より引用) 先日、下北沢のレコード屋で、Rolling Stonesの"Some Girls"デラックス版CDを買った。 会社でかけていて「うおおお!」と思わず驚嘆の声を挙げてびっくりしたのが、キース・リチャーズの歌う「We had it All」だ。 この曲を初めて聴いたのは高校二年生の11月。Bonnie Kolocの"Close Up"というアルバムが最初で、 A面の最後をしっとりとしっとりと締めくくるチョー感動的なテイクに涙したものだった。その後も何度も何度も聴きなおしているが、聴くたびにほとんどの確率で泣ける。 歌詞も、とびきりに切なくて寂しくて、いい。大切な人のことを想って聴きたい曲。 キース・リチャーズが、カントリー・ロックの創始者、グラム・パーソンズと親友であったことは有名な話で、キースはグラムのために、「Wild Horses」を書いたという。Flying Buritto Brothersのアルバムで、グラムもこの曲をやっているが、 儚げで、いつでも壊れそうな、震える心、ガラス細工のようなエモーション満点で、レオン・ラッセルのピアノにも涙できる。 グラム・パーソンズはドラッグに溺れ、酒も飲め飲め、女性関係も相当派手だったようで、死んだときはどっかのアメリカの田舎のモーテルで、当時付き合っていた女性が死んだ彼のアレを、一生懸命立たせようとしごいていた、という話がある。 胸が締め付けられたようにキュンとなる声を持つ男性ボーカリストは、グラム以外にはいないだろう。 野生の馬(=グラム)について行けなかった、、、、と悲しみを押し殺して歌うキース、ロン・ウッド。 やっぱストーンズはいいな。 the Rolling Stones "Wild Horses" このように「キースが実はカントリー好き」であることを証明するブツが、「グラム・パーソンズとWild Horses」だと僕はずっと思ってきたわけなのだが、 それに負けるとも劣らないエビデンスが、キースがしみじみと歌う「We had it All」だったわけだ。だから聴いた瞬間、ものすごく嬉しくて、切なくなって、泣けた。 Rolling Stones "We had it All" Rolling Stones "We had it All" ということで、今日はWe had it ALLのコード進行を。 キーはCメジャー、4/4拍子、エイトビート。 イントロ【I】パートは
はっきりと、パッヘルベルのカノンのコード進行で、 I-V/VII-VIm-V-IV-IIIm-IIm7-V ベースラインが、ド、シ、ラ、ソ、ファ、ミ、レ、ソと下降していくパターン。 歌の【A】パートは、
イントロと異なるところは、F(IVサブドミナント)の後に、G(ドミナント)に行って、またサブドミに戻って、トニックへアーメン終止するところくらい。 【B】パートのコード進行は、
トニックからサブドミナントマイナー代替のbVII=Bbを挟んでサブドミナントヴァンプを回して、 あとは、アーメンヴァンプ(F-C)を繰り返して、切なさを強調しつつ、V-Iでお辞儀終止。 しかし、しかし、ストーンズのサム・ガールズはジャケットも音楽も最高に好きな一枚でしたが、デラックス版は本当にいいです。 【このコンテンツは批評目的によるRITTS, DONNIE / SEALS, TROY HAROLDの音楽の引用が含まれています。音楽の著作権は著作権者に帰するものです。また、個人的耳コピのため音楽的には間違った解釈である可能性もありますが、故意に著作権者の音楽の価値を低めようとするものではありません。】 |