Bryan Ferry "What Goes On"
さて、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ロキシー・ミュージック、デビット・ボウィ、モット・ザ・フープル、布袋寅泰、マーシャ・クレラという才能あるミュージシャンの絵描く六角形のエリアの中に、 わたしたちは今、足をとどめている。 先日、ヴェルヴェット版のオリジナル「What Goes On」について書いたが、今日はそのカヴァー、 Bryan Ferryの"What Goes On" について考えてみよう。しかし、ブライアン・フェリー、いつ見てもヘンだなあw。スゴイヒトですよね。僕は本当にそれがカッコイイと思うのですが。 さて、この曲はフェリーがマルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)の代表作大ガラスに捧げた「the Bride Strippede Bare(ベールを脱がされた花嫁さえも)」で、カヴァーしている。 僕はデュシャンが高校2年生のころから、大好きで大好きで、大ガラスが見たくて大学を選んだくらい。強引な「ひとこと言い切り」かもしれないが、 資本主義社会や現代社会が「トートロジーとオナニズムに総てが収束して行って、やがてコミュニケーションがなくなり、世界は9人の独身者と花嫁になる」という、デュシャンのテーマは、 ますます、いま、冗談ではないというか、時代の趨勢を見事に捉えていると、今さらながらに感心する。 そんなデュシャンをフェリーが敬愛している、というところに、大きなアートの系譜みたいなものが存在していることに、僕は本当に感銘を受けるのだ。 さて、キーはDメジャーで、4/4拍子、エイトビート。 【I】イントロはDワンコード8小節なのだがVelvet版より16ビート感を強調して、
と、sus4感もより強めたカッティング。このアルバムには、リンダ・ロンシュタットバンドや、奥田民生バンド、キース・リチャーズバンドにいたアメリカ西部のギタリスト、ワディ・ワクテルと、 イギリスのスワンプ&パブロックの老舗、グリース・バンド、ココモ、ジューシィ・ルーシィ出身の天才リズム・ギタリスト、ニール・ハバード(Neil Hubbard)が参加しているのだが、 おそらく右チャンネルのリードギターがワディで、左のカッティングは、ニール・ハバードによるものだと思う。 実は僕は、このニール・ハバードというギタリストが、世界で一番大好きなギタリストだったりする。ヴェルヴェットな六角形には必ず、僕が大好きなヒトが巻き込まれている。 さて、そのニールのカッティングギター、【A】パートに入ると(コード進行は先日の記事をご参照)、
と、1-2小節目はイントロを歌のメロディにぶつからないよう繊細にずらし(←こういうのがスゴイ)、 サブドミナントの3小節目もトップノートをあえて動かさないで色彩感を変える。ハバード氏のリズムギターはこのへんがスゴイ。 【B】パートも
とカッティング。ニール・ハバードは本当にカッコイイです。 【このコンテンツは批評目的によるVelvet Undergroundの音楽の引用が含まれています。音楽の著作権は著作権者に帰するものです。また、個人的耳コピのため音楽的には間違った解釈である可能性もありますが、故意に著作権者の音楽の価値を低めようとするものではありません。】 |