アンディ・フェアウェザ・ロウ「僕は毎日死ぬ」
循環コード(I-VIm7-IIm7-V7)の一種類しかコード進行がない世界を空想したとしても、おそらく、僕らは音楽を愉しむことが出来ると思う。循環コードのことをコーネル・デュプリー先生は「Ice Cream」と呼ぶのであるが。 さて、勝手に曲の邦題をつけているが、アンディ・フェアウェザ・ロウ(Andy Fiarweather-Low)の「Everyday I Die(僕は毎日死ぬ)」のコード進行も循環コードだ。1974年にA&Mからリリースされた「スパイダー・ジャイヴィング(Spider Jiving)」のラストに収録されている作品。 ・ギター:ヘンリー・マカラック (Henry McCullough:元Paul McCartney&Wings、Greasebandなど) ・ベース:クリス・スチュワート (Chris Stewart:元Spooky Tooth、Terry Reid、Aire Apparentなど) ・ドラムス:デニー・シーウェル (Denny Seiwell:元Paul McCartney&Wings、John Denverなど) ・キーボード:ミック・ウィーヴァー (Mick Weaver:元Hemlock、Keef Hartley Band、Wynder K. Frogなど) キーはCメジャーで、
の繰り返し(歌パート部分)。つまり、
の、循環コード。VI7はIIm-V7のドッペルドミナントとしてのメジャー化。この他、ホーン主体の間奏が、”ご挨拶”程度、「あぁ~単調すぎるから、ちょっと間奏くらいコード進行替えるべか」程度に付け足されているが、あまり面白くないのでソッチは無視したほうがよい。 さて、循環コードの歌部分であるが、歌詞がなんともすごい。 何がすごいかというと、希望がないのである。大意としてサビ部分を翻訳してみる。 ■□■□■□■□■□↓以下翻訳(大意)。 毎日僕は死んでる。 自分をアホと気づいたが遅すぎた。 あとは人生を浪費するだけだ。 毎日僕は死んでいる。 ■□■□■□■□■□↑以上翻訳(大意)。 なんか途中で気合を入れて前向きになったりしない。無理に頑張ろうともしない。曲始めから最後まで、コノ感じである。明るい歌詞がない。ある意味、非常に潔い。 だからコノ曲は、もう20年ほどから、お気に入りになっていて、循環コードで遊ぶときは、結構な確率で口ずさんでしまう。マジで、オススメです。 フェアウェザ・ロウの本職は、一応シンガーソングライターというかロックシンガーなんだろうけど、一時期(1990年代。おそらく今年は同行してないはず??)、エリック・クラプトン先生のバンドで、アコースティック・ギタリストとして、共演していた時代がある。「アンプラグド」でも弾いている。その彼の姿しか知らない人は、ぜひいちど、この曲を聴いて欲しい。 ■関連記事: ケヴィン・エアーズ「双子座のこども(Gemini Child)」 ヤードバーズ「幻の十年」
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