Olivia Longe
◆Olivia Longe
1) Joshua P. Thompson サウンド!
Joshua P. Thompson と David Conley (元Surfice)によるプロデュース。
この Joshua P. Thompson氏が完璧に自分の好みにマッチ!
アコースティックな感じのリズム・ギターに彼女のアンニュイなボイスが乗る。
ヒットしたBizounce は Gm-Cm7 のマイナーヴァンプ。
シングルノート・カッティングパタンのギターが枯れていて良い。
あと「Silly Bitch in Love」が美品。
アコースティックギター(以下ag)とエレクトリックギター(以下eg)のプレイの対比が非常に美しい。
コード進行は Cm7 →B♭を3回繰り返し、F9→Cで解決、コレの繰り返し
(Cm→F→Cメジャー解決ということで、こういうコード進行大好きです)。
ag の基本リフは以下の感じ(画像汚くてすみません)。
コレに eg が↓のような素敵なフィルを入れる。
eg はたまにソロっぽいプレイに移る。
そしてなんと言っても美しいイントロの ag フレーズ↓。
こういう構成、なんともセンスいいなぁ~
Joshua P. Thompson はなんと、
George Benson 『Irreplaceable 』もプロデュースした若手の凄腕プロデューサ。
このアルバム、ものすごく好きだったのですが、ここで作られているサウンドって、
ソウルとかジャズとかロックとかブルースとかのジャンルを軽々と飛び越えている
素敵な音楽。ほかThompson 氏は、
Stanly Jordan "Flying Home" にも David Conley, Anrhony Jackson らと参加、
Alicia Keys の "Songs in A Minor" をプロデュースしたのも彼。
Olivia→Joshua P. Thompson→Geouge Benson
と繋がれば、その先は Stuff や、Phil Upchurch 、Jack McDuff といった
20世紀の最も色気ある音楽の貯蔵庫だ!
最近のHIPHOP, R&Bも、過去/ルーツから色々な素敵な遺産を汲み上げているのだと思う。
なんとなく、
BLUES→R&B→DOO WOP→FUNK→HIPHOP の系図がつかめたような気分。
自分の音楽地図が拡がったような気がして、幸せ:-)
「これで君ももう少しで
『ともだち』 の仲間だ」という感じ?参加メンバーは以下。
Olivia,
Jimmy Cozier (vocals)
Warren Wilson (guitar, keyboards, bass, programming)
Doug Allen(guitar, keyboards)
Joshua P. Thompson, (guitar, keyboards)
Carlton Savage, Xavier Marquez, George Waddenius (guitar)
John "Magic" Peters, Rob Fusari (keyboards, programming)
Victor Jones, Eddie Allen, Bruce Williams, Angel Vasquez (horns)
Lamar "Kaptain Khronic" Mitchell, Michael Jackson, Quincy Patrick (keyboards)
Dexter Whittaker (bass)
Rufus Blaq (background vocals)
2) アンプ直結系のギターカッティングと女性ボーカル
(+骨太ベースとシンプルなファンク・ドラム、オルガン etc)
遅ればせながら、
自分の好みのサウンドを一言で言うと、上記のようなものです。
故に、決して暑苦しいサウンドではなくわりと音の密度が薄めで、
センスの卓越した音、音、音から構成されている。
たとえば、センスの卓越した音を出すミュージシャンと言えば、
・ギターなら、Cornel Dupree, Neil Hubbard, Jeff Beck
・ドラムなら、Elvin Jones, Robert Wyatt
・ベースは、Jimmy Garrison, Ray Brown
・オルガンは、Mick Weaver
というような感じです。
あとジャンルを軽々と超越していること
たとえば、以下のような活動。
・黒人のゴスペルだけでなく、白人の演奏したゴスペルがブルーグラスとして録音されている。
この2つがメンフィスで出会い、ロックが生まれた(←大雑把;-(
・Jeff Beck は Stevie Wonder の曲でリードギターを弾いた (多分史上初?の)イギリスの白人である。
またそのJeff Beck は黒人ミュージシャン(ジャマイカ系?)
Bob Tench, Clive Chaman, Max Middleton らと
第二期 Jeff Beck Group を結成。ファンクを演奏 していた。
Tench, Chaman, Middleton らは、Linda Lewis のサポートメンバー でもあった。
Tench, Chaman はファンク系の演奏をしつつ、
Cozy Powell や Nikko など、ヘビメタミュージシャンとも対等に演奏していた。
ほか、Average White Band や Olympic Runners のように
70年代のFunk→Disco の流れには白人が大いにコミットしていて、
そこに在英黒人が多大な貢献をしている。
・Phil Upchurch はR&B系のセッションマンのようだが、
シカゴの女性フォークシンガー Bonnie Koloc のバンドで1970年代初頭ベースを弾いていた。・ジャズベーシスト、Charles Mingus の片腕ドラマー Dannie Richimond は、1950年代は
ソウルバンドのサックス吹きだったこと、また、70年代イギリスに渡り、
ジャズ・ロックバンド Marc-Almond のメンバーになった時代 があったこと
・ブルーグラスのアルバムでもベースを弾く Ron Carter
ジャンル一途より、わりと節操なさげな人(ポピュラー音楽とはそういうもの)が好み。
なんとなくそれが、
ゼブラーマン ですら白黒つけられないが如く、人種の壁をも超越していく、
↓
ブラックコーヒーとミルクが溶け合ったような、まろやかな感触
ことなんじゃぁないかなぁ、と思っていて、そういう感じのする音が好きです。
ということで、以下、ヒップホップを学びつつ、20世紀初頭からの、
白と黒の溶け合うポピュラーミュージックシーンのようなものが描けていけたらなぁと思っています。
(みなもと太郎が幕末を描くためにあえて、関が原の合戦から風雲児たち を書き始めたが如く)